ごあいさつ
第19回年次大会東京大会 開催にあたって
日本デイケア学会第19回大会は東京の目白大学で、9月18日・19日に開催する予定で準備を進めています。第19回大会では「生活を支えるデイケア―自らの生き方の創造と選択―」をメインテーマとしました。デイケアでは通所してきたさまざまなメンバーに、さまざまな職種のスタッフがその専門性と個性を生かして、かかわりや働きかけを展開しています。デイケアの特徴の一つはこの多様性にあると言えます。
地域で生活する時は一般的には、多様な社会的背景を持つ人々の様々な生活に付き合いながら、それぞれの場面に応じて生きる方法を獲得していきます。デイケアは生き方の方法や出来事への対処法などを見て学び経験することで、自分なりの生き方を体得していく機会を提供しているのではないでしょうか。全国のデイケアでは、さまざまな工夫をして、メンバーが自らの生き方の創造に取り組み、選択を積み重ね、少しでも楽に生きていけるための支援を目指して、グループワーク等を活用しながら、経験と交流を意識した働きかけを行っていると思います。デイケア学会は年に一度、全国から関係者が集まって、自分たちの取り組みを紹介したり、他のデイケアでの実践から学んだりしながら、よりよい支援につながるための努力を分かち合う機会です。
東京は、多様な人々が暮らしているため、多様性を大切にする風土が比較的育っている一方、「それぞれだから」という考え方が、他者への無関心という結果をもたらしている面もあります。今大会では、デイケアでのかかわりや働きかけを、メンバーたちが少しでも自由な気持ちで生活していけるための支援につなげたいと思っています。目白大学のキャンパスは、新宿区とは思えない緑の木々が豊かなちょっとした都会のオアシス的雰囲気のキャンパスです。そこでの二日間を、自分たちの取り組みや考え方を交換し、議論と考察を深める機会にしましょう。
日本デイケア学会第19回年次大会 大会長 松永宏子